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犬の出産 我が家のお犬様ご懐妊!その3 産後のケア

産後の母犬、赤ちゃん犬へのケアについて知っておきたいこと

人間でも犬でも同様に、出産は命が誕生する奇跡的な瞬間!ましてや愛犬が赤ちゃんを産むということはそても感動的な経験です。ただ赤ちゃんを産んだばかりのお母さんというのはものすごく疲れています。与える食事を始め健康管理など、飼い主ができる出産後に重要な母犬への産後ケアと、その赤ちゃんへの産後ケアをそれぞれ紹介します。

母犬の産後ケア 気を付けなければならないこと

出産後の母犬は身体的にとても消耗しています。また出産直後から「子育てをする」という母性本能が目覚めており、一般的には休む間も無くすぐにお世話が始まります。飼い主ができること、注意することなどポイントをまとめました。

過干渉にならず静かに見守る

赤ちゃんを出産してからしばらくは、本能的に子犬を守ろうと神経質になっています。母犬に対してもまた子犬に対してもあまり干渉することは避け、ゆっくり休ませてあげましょう。不用意に近付いたりしない方が好ましいです。普段以上に警戒心が強くなっており、飼い主であっても吠えたり、噛んだりと攻撃してくることがあります。もちろん、食事や水分補給、排泄の世話など行うときは、静かに声をかけながら近づき安心感を持たせながら、行うようにしましょう。

母犬の体調の変化に注意する

母犬は、出産後に外に露出した子宮が戻らなかったり、分娩の時に細菌が子宮に入ったりするなど、様々な病気のリスクがあり心配されるのは、子宮脱や急性子宮炎などです。元気がない、吐き気や下痢がある、呼吸が速い、体の震えや痙攣を起こすなどの異常がみられたら早めにかかりつけの動物病院に行きましょう。また、出産後1〜2週間ぐらいは陰部からおりものがあるのも一般的ですが、それ以上長く続く場合や異常なおりもの(出血・緑色・膿様上など)の場合は早めにかかりつけの獣医さんに見てもらうようにしましょう。
授乳時などに乳頭などから侵入する細菌などで、乳腺が腫れて熱を持ったり、痛みがでることがあります。授乳によりカルシウムが使われてしまい、母犬の体内のカルシウム濃度が著しく低下することも考えられます。乳腺炎や低カルシウム血症にも気をつけましょう。

母犬の食事に配慮する

母犬の食事に関しての産後ケアはとても大切です。出産によって体力の消耗や、赤ちゃん犬に母乳を与えなければいけないため、さらに栄養を失うことになります。そのため、普段与えている食事ではなく、高カロリーな食事を与えるようにしてください。
母乳の消費量によっても異なりますが、一般的に言われているのが、出産直後は妊娠前のカロリーの約1.5倍が必要になり、その後生後3〜4週間目から離乳までは3倍ほどのカロリーが必要となります。高カロリーなドッグフードや母犬/幼犬用のパピーフードなどを利用してもいいですね!また、水分もしっかり補給する必要があります。母乳としてたくさん体内の水分が消費されてしまいますので、母犬がいつでもお水を飲めるようにしてあげてください。

少しずつ落ち着いてきたら

出産直後の母犬というのは、とても神経質になっておりむやみに子犬を取り上げたりすると、母犬にとって大きなストレスになったりします。そのため飼い主は母犬の緊張や、不安を察した上で接する必要が大切になります。
出産直後の母犬は食事や排泄も我慢して子犬を守ろうと常に寄り添っています。少しずつ母犬の様子が落ち着いてきたら、子犬が寝ているタイミングなど見計らって、トイレに連れて行くようにしましょう。トイレから戻って子犬に何もなければ、だんだんと自分でトイレに行くようにもなります。また5〜10分くらいの軽い散歩や運動も大切です。血行を良くすることで母乳のでを良くすることも期待できますし、ストレスの解消にもなります。また、出産によって拡がった子宮を元に戻す上でも、適度な運動は大切になります。

赤ちゃん犬へのケア 気をつけたいこと

母犬だけじゃなく赤ちゃん犬へのケアも大切です。無事に生まれたら母犬のケアで説明したことと同様、なるべく近付かず、遠くから見守るようにしましょう。かかりつけの病院へ赤ちゃんが生まれたことを報告をし、身体検査などの相談もしておきましょう。

赤ちゃん犬の健康管理

身体検査
出産後、母犬の様子が落ち着いたら動物病院で子犬の身体検査をしてもらいます。口蓋裂(口腔内の奇形)や鎖肛(肛門がふさがっている奇形)の有無など異常が無いかの診察、また心臓や内臓などの異常、遺伝による疾患などを診てもらいます。身体検査に連れて行く時期は子犬ちゃんや母犬の状態によって変わるため、出産後無事に産まれたことを動物病院に伝えた時に相談してみましょう。

マックさん
マックさん
犬の中には断尾や断耳といった、体の一部の切除を行う犬種が居ます。犬の「断尾」とは、生後間もない頃にしっぽを切り落とす事をいい、生後3日頃〜10日までに獣医師による麻酔無しの外科的に切断する方法で断尾が行われます。

断尾の翌日の写真です😭
断尾についての賛否両論
短いしっぽがスタンダードとされている犬種は複数います。代表的な犬種はプードル、ヨークシャーテリア、ウェルッシュコーギー、ピンシャー、ボクサー、シュナウザー、グレートデン、ドーベルマン、そして我が家のジャックラッセルも含まれています。(他にも多数います)昔は狩猟の際に長い尻尾が邪魔になるので切られていたなどの理由ですが、現在では見た目を重視した美容目的の断尾になります。海外では動物愛護の観点からヨーロッパ(イギリス、ドイツ、オランダなど)を中心に、犬の断尾は法律で禁止されるようになりました。昔は狩猟の邪魔になる為に断尾されていたようでうが、現在ではそのような仕事上の役割がなくなったのに断尾が行われ続けています。見た目が格好良さ、血統書のスタンダード規定など人の価値感による断尾は私も快く思えません、今回、我が家の赤ちゃんたちの断尾については夫婦でも意見が別れました。が、里親さん達の意向を聞き結局、断尾することになりました。病院で赤ちゃん犬の鳴き声を聞いて胸が苦しかったです。

初乳の確認
赤ちゃん犬の生後2〜3日以内に母犬から分泌される母乳を初乳といいます。初乳は栄養的にすぐれているだけでなく、母犬からの免疫が含まれているので(母子免疫)、その後の子犬の成長に非常に重要となります。赤ちゃん犬が自力でおっぱいが見つけられない時は母犬が誘導し、母乳をあげます。遠くから見守り、母犬が手伝っていなかったり、上手く飲ませることができていない場合には、母犬の様子に注意しながら、赤ちゃん犬の口を母犬の乳の辺りへ誘導し初乳を飲むように手伝ってあげましょう。

赤ちゃんの体重測定
ちゃんと母乳が飲めていれば、体重は約10%づつ日ごとに増えていきます。生後2週間ぐらいまでは毎日1〜2回程度、決まった時間に体重をはかり、母乳が飲めているかどうかのチェックをしましょう。
体重が増えていない場合は、赤ちゃんごとに体重に大きなばらつきが見えたりする時は母犬の母乳があまり出ていないことや、1頭だけ体重が増えていない場合は、その赤ちゃんにあまり吸う力がないことが考えられます。この場合には人工哺乳を行う必要があるので、子犬用の哺乳瓶でミルクを与えるようにします。

我が家ではこちらの哺乳瓶にしました。飲み口が細く赤ちゃんでも吸いやすくなっています。スペアもついてるので安心です。

粉ミルクはこちらの物で、赤ちゃんだけじゃなく栄養不足な母犬にも一緒に使える粉ミルクにしました。

赤ちゃんの排泄
生まれてから2〜3週間は、子犬は自力で排泄することができません。母犬が赤ちゃんの排泄する部分を舐め、この刺激によって排泄をさせます。排泄物はほとんど母犬が食べてしまいますが気にしなくて大丈夫です。生後4〜5週になると自力で排泄ができるようになります。母犬が育児放棄などでうまく世話が出来ていない場合は、飼い主が排泄を促してあげる必要があります。
1日に数回、温かく湿らせた温かいガーゼや脱脂綿などで肛門や排尿部分を、軽くトントンと叩くように刺激すると排泄を促してあげられます。その時は、排泄物のチェックも行ない健康状態を確認しましょう。

目はいつ頃から見える?
子犬の目は生後約12〜14日に開きます。このころの目の色は青みがかった灰色ですが、その後、4〜6週齢で成犬と同じ色に変わります。また、視力は3〜4週齢まで十分ではありません。へその緒は通常生後2〜3日でとれます。

目も見えてませんが、耳もまだ閉じていますよ!

生後1ヶ月 赤ちゃんから子犬へ成長!

生後1ヶ月ほど過ぎてくると、生まれた直後に比べて身体も少し大きくなってきます。3週間が経つと歯も生えてくるようになります。そのため、1ヶ月前後(4週〜5週目頃)に母乳から卒業し、離乳食へ切り替えていきます。

生後4〜5週目頃から離乳食のスタート

離乳食を与え始めます。離乳食は離乳用(パピー用)をお湯でふやかして与えます。成長期用のフードをお湯でふやかして潰したものを与えても大丈夫です。ふやかすときのポイントは、栄養成分を守るために熱湯は使わないようにします。

生後6週目頃から離乳食の2段階目

子犬の成長に必要な栄養分の25%は離乳食からとれることを目標に離乳を進めていきます。この時期はまだ、お湯でふやかした食べやすいものを与えます。

生後7〜8週目頃から離乳食の3段階目

完全な離乳を目指して進めていきます。フードはこの時期からふやかし方を調節しましょう。ふやかす時間とお湯の量を少しずつ減らして硬くしていきます。パピー用のフードの方が大きさも小さく食べやすいのでオススメです。

離乳の注意点は

最初は離乳食になれていないため、軟便になる可能性があります。あまりにもうんちが柔らかいと感じる場合には、獣医さんに相談し、食事を変えたり母乳に戻してみましょう。体重管理を続け、上手に食べられているかなどの把握も大切です。

まとめ

一般的には出産直後というのは母犬が子育てをするので、必要以上に近付かないようにし過干渉は控えます。でも、母犬や赤ちゃん犬の様子がおかしいと感じた場合は、かかりつけの獣医師にすぐ相談し対応するようにしましょう。食事のお世話など飼い主が補助する時は、そっと近づき母犬にストレスを与えないよう配慮してあげましょう!

我が家のジャックラッセルファミリーはまだ赤ちゃんが生後6日目です。母犬のモスちゃんは子育てしっかりやってくれてますが、飼い主としてはまだまだ目が離せない!今はしっかり母乳を飲んで元気にすくすく育ってくれるのが何よりです。